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2023.10.25 ブログ

【更新】中央公園トイレ設計・工事の記録

25/10/2023

地盤改良工事が進んでいます。
今回の様に設計時には詳細な測量データが無い事が多く、工事が始まりようやく敷地の高さや勾配を知る事になります。
高さの基準点(KBM)と設計GLの高さ関係が初めて正確に分かり、設計GLを含めた高さ関係の調整が始まります。
ただ、設計GLは必ずしも地面の高さでは無いため、KBM、設計GL、実際の地面の高さ、の3種類の高さが出現しややこしくなります。しかも、実際の地面は傾いているので、土のかぶり厚さや、配管の高さなども調整が必要で本当にややこしいのです。

今回はトイレのため多くの配管が地面の下にあって、配管勾配の必要性から排水マスの底が決まり、そこから地盤改良の厚み、基礎の高さなどを調整することが多かったです。汚水管の上に雨水管が通り交差するのでその高さ関係の調整もあったりで大変です。
建ってしまえば見えなくなるところですが、失敗は許さないためとても神経を使います。

こういう仕事が工事監理と呼ばれるモノですが、設計の発注時に測量データを用意して貰えれば事前に十分な検討できるのにな、と毎度思います。
(小規模な公共建築なのでしかたありませんが)

20.10.2023

解体撤去工事が完了し、浄化槽が設置されました。
次は地盤改良工事に進みます。




03.10.2023



解体工事が進んでいます。
アスベストを含む外壁塗装を除去して、その完了後にコンクリート躯体を解体していきます。
40年あまり活躍してくれた既存トイレには感謝です。お疲れまでした。
新しく作るトイレも40年持たせる意気込みで作ります!


05.09.2023

代表の田淵です。
施工会社さんと市役所担当者など一同に介して初回の打合せを行いました。
どのような想いで設計したか、目指すところはどこか、など話させて頂きました。
たかが公園のトイレだと思うなかれ、後世に残る建築にするつもりでやって欲しい!
という、若干空回った熱弁をふるってきました。

気持ちを入れて工事監理に当たっていきたいと思います。



30.05.2023




代表の田淵です。
なかなか時間が取れなかったのですが、簡単な模型を作って現地で確認をしてきました。
正面が北側になるのでベンチスペースが上手く全体的に日影になります。
日を遮る場所が少ない公園なのでとても有効だと思いますが、少し格子と壁の関係性に疑問が残りました。
しっくり来ない部分を再調整しようと思いますが、全体の雰囲気は現地と違和感が無く安心しました。



17.05.2023


図面には建築図、構造図、給排水図、設備図、電気図といろいろな種類があり、それぞれに設計者が異なります。
今日は各図面の整合性をチェックしたり、設計中は詰め切れていなかった部分を改めて考えたりしました。
設計中には気がつかなかった箇所に目が行ったり、建築の質が上がる改良点が見つかったりと良いレビューが行えました。
少し寝かしてから再度見直すのは効果的です。


12.05.2023

代表の田淵です。
前回の続きですが、積算についてです。
公園のトイレは公共建築なので我々設計事務所が必要経費を除いた工事金額を算定しています。
これを「積算」と呼び、公共建築の場合には設計委託業務の契約に必ず入ってきますが、設計と同じくらいに大変な作業なので多くの設計事務所は外部に委託しています。弊社でも大規模建築は専門会社に外注する場合もあります。

具体的に積算業務とは、建築するのに必要な全ての資材をその種類毎に集計して、工事項目ごとの人件費を数え上げ、それらの数量に工事単価を掛け、総合計する作業の事です。
その金額がベースになって各自治体が必要な経費など計算して最終的な建設予定工事費が定まり、工事入札が行われます。
我々は自治体の経費計算などの算出方法を知り得ないので予定工事価格を事前に知ることは出来ない仕組みです。
以上は周知の事実の再説明ですが、この積算業務が凄く大変です。

計算ミスが許されない緊張感のある作業の連続ですし、設計と同じくらいの膨大な時間が必要です。なにせ全ての資材の数量を数え上げてその計算・集計の記録を作成せねばならず、他の人が後から見てもトレース出来るように計算式の記載も工夫をせねばなりません。
(つまりCADの自動計算などのツールがあまり使えず、前時代的なエクセルシートでの原始的な計算を行います)
加えて国交省が定める細かなルールを知る必要があり、何より工事の知識が不可欠です。
設計図と呼ばれる物は正確には完成図ですので工事の知識が無くとも描くことはできますが、積算は完成に至るまでに行われる工事自体を集計してくので工事に通じていないと積算自体が難しいのです。図面に描かれていない工事も積算せねばなりません。

民間の建築の場合は設計図さえ出来上がれば、それを建設会社に渡しさえすれば彼らが積算を行って工事費を算定してくれます(といっても建設会社は下請け業者さんに見積もりをさせてそれを合計する場合がほとんどですが)。しかし公共建築の場合はその作業は国の統一のルールに従った透明性の高い物でなければならず、我々設計事務所が担うことになっています。

よって、公共建築に携わる設計事務所は積算業務が行える事が前提となっています。
我々のように地域に対して設計活動を行っていく事務所では公共建築の設計は是非とも担いたい仕事です。そして公共建築は工事費との透明で適切な関係性の確保が不可欠です。工事金額を確実に掴み無駄なく建築へ反映させ、少しでも質を上げたい。それが積算という多くの事務所が外注を行う積算を積極的に自社にて行う理由です。

ただ、人的負荷の高い積算業務が設計時間を圧迫する点が大きな課題です。その点は現在準備を進めているBIMに期待する部分の大きく、BIMを使った効率的な設計と積算を行い、設計に集中する時間を増やしてきたいと思っています。
(建築業界、特に設計業界は勤務時間が長すぎると常々思います。それらを減らしたいとの想いも強いのですが)

(BIMについてはまたの機会にしたいと思います。)


04.04.2023




代表の田淵です。

今回のアップデートで設計も一区切りです。
もう少し立面にまとまりが欲しかったので各種要素の寸法の調整と色彩調整を行いました。
外壁板の張り方向も変えたりして違和感が無くなるまで整えました。

公園に建つので誰か特定の層や性格の人達(例えば子供だけが喜ぶとか、建築が好きな特殊な人へ向けて)では無く、誰にとっても同じ印象を与える外観にしたいと当初から考えていました。そのような観点からはとても満足しています。
これにて一旦実施設計を終えますが、まだ内部の細かい寸法を調整して使い勝手を上積みしたいと思ってます。
また、工事までの期間に機会を見て模型にして検討を重ねたいと思います。

今回も構造設計室の素晴らしい発想に助けられました。その話はまた別の機会に書きたいと思います。

ここで一旦実施設計を終えたいと思います。今回は思った以上に積算が大変でした。
公共建築と切っても切り離せない積算業務。これについてもまたの機会にしたいと思います。




24.03.2023




代表の田淵です。
中央公園トイレの設計をアップデートしました。
軒下の空間を大きく開き、縁側の様な長いベンチに変更しました。
公園は日影が少ないのでトイレのついでに腰を下ろして休んで欲しいと思います。
今も10年後も同じ様に感じるデザインをいつも心がけています。

また、防犯上の観点から男女トイレの出入り口を両端にして離しつつ出入り口付近の人の出入りを視認しやすい様に格子にしたり、わざと手洗いスペースが少し見える様にして死角を減らす工夫をしています。





02.03.2023



イメージが出来てきました。深い軒下に休憩用のベンチスペースを計画しています。
周囲に溶け込むような佇まいを意図してます。




こちらは駐車場に設置するイメージです。ベンチスペースのアップデートが必要そうですが、屋根の佇まいは良さそうです。






28.09.2022



代表の田淵です。

私が小さい頃から慣れ親しんだ加賀市中央公園に公衆トイレを設計させて貰えることになりました。
今も大好きな思い出の公園で、よく娘を連れて遊びに行きます。

昔からずっと、この公園内の施設を設計できたらなぁ、、、と願ってきたので嬉しさ爆発です。

目指すは「自然と掃除をしたくなるようなトイレ」。皆に愛されて誰彼構わずついつい掃除をして綺麗にしたくなるような。そんなトイレにできたらいいなと思います。トイレの横にはそよ風が抜ける休憩スペースも作りたいです。

設計が楽しみです!

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