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【更新】中央公園トイレ設計・工事の記録
2024/03/22
代表の田淵です。
市の完了検査、建築確認の検査を終え、無事に引き渡しを終えました。ほっとしています。
公園の利用者に愛され大切に使われる事を祈っていますし、風化して風景に馴染んでいくことを楽しみにしています。
私自身、作り手の一員として関わらせ頂き、多くの学びと経験を積ませてもらった現場でした。
一人一人の職人さんが一工程づつ丁寧に仕事を進めていく様子、製材所での加工を見るに付け、ああ、建築を作るって本当に物作りなのだな。
物作りは本当に楽しいし、充実感があるな。幸せだな。と心から実感しました。
小さい頃から大好きだったこの公園に設計したいという、一つの夢が叶いました。
今後はメンテナンス等の維持管理にも協力をしていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
(竣工写真は後日アップ致します)
2024/03/10
外構工事が完成し植栽が施されました。
春先はまだ寒いのですが、無事に根付いて欲しいです。
あとは設計検査での修正工事を行って市の検査を受け引き渡しです。
2024/02/08
しとしと雨が降ってます。ほぼ最終形が見えてきました。
植栽や外構がまだの段階では建築がどことなく所在なさげに見えます。
しかし、これはしっかりと図面を描いただと思っているのですが、あたふたした感じが無く、あるべき材があるべき所にあるべき姿である。という感じがします。
2023/1/31
ずいぶんと建築らしくなりました。正面の姿も見えてきました。内部は木毛セメント板に塗装です。
神経質になりすぎない様にざっくりとた仕上げを試みています。
時間の経過を上手く吸収できる材料を探すのに苦心しましたが。今回は上手くいったと思います。
実は塗装の色を攻めすぎて一度失敗しました。頼み込んで塗り直して頂きました、、、。
化学系の建材はある時間を過ぎると一気に古くなって、エイジングが上手く進みません。
可能な限り自然由来の素材を使い、職人さんの手が加わった物を使いたいのです。
2023/12/29
今年も年末を迎えました。外壁も貼られ、内部の工事も進んでいます。
外壁の割付けも、木格子も手洗い部分も全て設計通りに納めてくれています。
丁寧な大工仕事。物作りはやはり素晴らしいと思わせてくれます。
2023/11/23
現場がどんどん進みます。ベンチスペースの形が見えてきました。お気に入りのアングルです。
木造にもかかわらず約7mのスパンが飛びます。片持ち梁を出して軒を支える構造です。
こういう時には集成材が本当に頼りになります。安定した品質と明確な強度。これらがあって初めて構造計算が可能になるためです。
JAS構造材はまだ全く手に入りませんし、その認知度が低すぎます。果たして普及するのでしょうか?非常に疑問です。
JAS構造材の2級よりも、一般材の無等級の方が強度が大きいという矛盾した構成も早く改めるべきだと思います。
2023/11/21
指定した金物がきちんと施工されているか全箇所をチェックし、全箇所を写真に納めて貰いました。
図面にずべて記載していても必ず漏れがあると思ってチェックしていきます。
実際に漏れがあります。第三者の目(監理者)が有効だといつも思うのです。
2023/11/20
基礎コンクリートも打ち上がり、養生期間を経て、建方です。
一気に建築の姿が現れます。事前に塗装を施す材にはしっかりと黒の色が乗っています。
この時点で屋根にはる構造用合板の割付けも、壁や軒先の納りも綿密に大工さんと打ち合せをしています。
あとは安心して見ていられます。というほど実は甘く無く、実際には大工さんも少なからず間違うのです。
建方では雨に打たせないために屋根まで伏せてしまいたいので応援の大工が多く来ます。
その大工達にまではなかなか情報が共有されていないことが多くあるのです。
例えば、端の垂木には外壁を受ける溝がつかれてるですが、それを間違って他の部分に使ってしまう事や、
面戸板を外壁請けの見切り縁の上に設置する複雑な手順ですが、それを無視し(情報が伝わらず)桁貼りの上に打ち付けてしまう。
色が塗ってある材を付ける必要があるところに違うモノを付ける、などなど、あの打合せは何だったのか?と思うような事が同時多発的に発生します。
それらを現場に張り付いて逐一確認をして、大工さんに指示を出します。
監督さんよりもこちらの方が図面を描いている分詳しく把握しています。強面の大工にダメを出したり指示を出すのはちょっと勇気が要ります。
しかし、現場での生のやりとりの中で一緒に建築を作っているという喜びを感じます。
この現場はメインの大工さんの腕が良く、ビッタリと納まりました。
2023/10/28
美しく配管が設置され(写真を撮り忘れました。本当に芸術的な配管さばきでした)、砕石が積まれています。
今回は地盤改良の上に砕石を施して細管スペースを確保しています。こうすることで基礎や地中梁を貫通する配管をほとんど無くせるのです。
構造的にも安全性を確保しやすいのですが、設計段階で配管の高さや勾配を考慮せねばならずなかなか大変でした。
とても上手くいったと思います。
2023/10/25
〈別冊の詳細図集〉住宅ならばこの2倍、3倍は必要かと思います。
現場は地業が終わるとあっという間に進んで行きます。現場の進行にせっつかれてアドリブで決定する事が増えていくと悪い兆候です。工事の質も上がりません。
しっかりした建築を作るには細部まで考え抜かれた図面が必要です。図面があってこそ職人達の本領が発揮されます。職人さんに納りを考えさせては彼らも腕がふるえません。
いかに事前に準備しておくかが我々の工事監理の大切な仕事です。
設計時にここまでの図面を描く時間が全くありません。工事がスタートすると同時にこちらも詳細図を描き始めます。
この納りを考えながら詳細図を描いてる時間がたまらなく楽しいです。
25/10/2023
地盤改良工事が進んでいます。
今回の様に設計時には詳細な測量データが無い事が多く、工事が始まりようやく敷地の高さや勾配を知る事になります。
高さの基準点(KBM)と設計GLの高さ関係が初めて正確に分かり、設計GLを含めた高さ関係の調整が始まります。
設計GLは必ずしも地面の高さでは無いため、KBM、設計GL、実際の地面の高さ、の3種類の高さが出現しややこしくなります。しかも、現実の地面は傾いているので、土のかぶり厚さや、配管の高さなども調整が必要で本当にややこしいのです。
今回はトイレのため多くの配管が地面の下にあって、配管勾配の必要性から排水マスの底が決まり、そこから地盤改良の厚み、基礎の高さなどを調整することが多かったです。汚水管の上に雨水管が通り交差するのでその高さ関係の調整もあり苦労しました。基本的な高さ関係は設備設計事務所にて行って貰っているのですが、実際の調整は現場にて行います。
建ってしまえば見えなくなるところですが、失敗は許さないためとても神経を使います。
こういう仕事が工事監理と呼ばれるモノですが、設計の発注時に測量データを用意して貰えれば事前に十分な検討できるのにな、と毎度思います。
(小規模な公共建築なのでしかたありませんが)
20.10.2023
解体撤去工事が完了し、浄化槽が設置されました。
次は地盤改良工事に進みます。
03.10.2023
解体工事が進んでいます。
アスベストを含む外壁塗装を除去して、その完了後にコンクリート躯体を解体していきます。
40年あまり活躍してくれた既存トイレには感謝です。お疲れまでした。
新しく作るトイレも40年持たせる意気込みで作ります!
05.09.2023
代表の田淵です。
施工会社さんと市役所担当者など一同に介して初回の打合せを行いました。
どのような想いで設計したか、目指すところはどこか、など話させて頂きました。
たかが公園のトイレだと思うなかれ、後世に残る建築にするつもりでやって欲しい!
という、若干空回った熱弁をふるってきました。
気持ちを入れて工事監理に当たっていきたいと思います。
30.05.2023
代表の田淵です。
なかなか時間が取れなかったのですが、簡単な模型を作って現地で確認をしてきました。
正面が北側になるのでベンチスペースが上手く全体的に日影になります。
日を遮る場所が少ない公園なのでとても有効だと思いますが、少し格子と壁の関係性に疑問が残りました。
しっくり来ない部分を再調整しようと思いますが、全体の雰囲気は現地と違和感が無く安心しました。
17.05.2023
図面には建築図、構造図、給排水図、設備図、電気図といろいろな種類があり、それぞれに設計者が異なります。
今日は各図面の整合性をチェックしたり、設計中は詰め切れていなかった部分を改めて考えたりしました。
設計中には気がつかなかった箇所に目が行ったり、建築の質が上がる改良点が見つかったりと良いレビューが行えました。
少し寝かしてから再度見直すのは効果的です。
12.05.2023
代表の田淵です。
前回の続きですが、積算についてです。
公園のトイレは公共建築なので我々設計事務所が必要経費を除いた工事金額を算定しています。
これを「積算」と呼び、公共建築の場合には設計委託業務の契約に必ず入ってきますが、設計と同じくらいに大変な作業なので多くの設計事務所は外部に委託しています。弊社でも大規模建築は専門会社に外注する場合もあります。
具体的に積算業務とは、建築するのに必要な全ての資材をその種類毎に集計して、工事項目ごとの人件費を数え上げ、それらの数量に工事単価を掛け、総合計する作業の事です。
その金額がベースになって各自治体が必要な経費など計算して最終的な建設予定工事費が定まり、工事入札が行われます。
我々は自治体の経費計算などの算出方法を知り得ないので予定工事価格を事前に知ることは出来ない仕組みです。
以上は周知の事実の再説明ですが、この積算業務が凄く大変です。
計算ミスが許されない緊張感のある作業の連続ですし、設計と同じくらいの膨大な時間が必要です。なにせ全ての資材の数量を数え上げてその計算・集計の記録を作成せねばならず、他の人が後から見てもトレース出来るように計算式の記載も工夫をせねばなりません。
(つまりCADの自動計算などのツールがあまり使えず、前時代的なエクセルシートでの原始的な計算を行います)
加えて国交省が定める細かなルールを知る必要があり、何より工事の知識が不可欠です。
設計図と呼ばれる物は正確には完成図ですので工事の知識が無くとも描くことはできますが、積算は完成に至るまでに行われる工事自体を集計してくので工事に通じていないと積算自体が難しいのです。図面に描かれていない工事も積算せねばなりません。
民間の建築の場合は設計図さえ出来上がれば、それを建設会社に渡しさえすれば彼らが積算を行って工事費を算定してくれます(といっても建設会社は下請け業者さんに見積もりをさせてそれを合計する場合がほとんどですが)。しかし公共建築の場合はその作業は国の統一のルールに従った透明性の高い物でなければならず、我々設計事務所が担うことになっています。
よって、公共建築に携わる設計事務所は積算業務が行える事が前提となっています。
我々のように地域に対して設計活動を行っていく事務所では公共建築の設計は是非とも担いたい仕事です。そして公共建築は工事費との透明で適切な関係性の確保が不可欠です。工事金額を確実に掴み無駄なく建築へ反映させ、少しでも質を上げたい。それが積算という多くの事務所が外注を行う積算を積極的に自社にて行う理由です。
ただ、人的負荷の高い積算業務が設計時間を圧迫する点が大きな課題です。その点は現在準備を進めているBIMに期待する部分の大きく、BIMを使った効率的な設計と積算を行い、設計に集中する時間を増やしてきたいと思っています。
(建築業界、特に設計業界は勤務時間が長すぎると常々思います。それらを減らしたいとの想いも強いのですが)
(BIMについてはまたの機会にしたいと思います。)
04.04.2023
代表の田淵です。
今回のアップデートで設計も一区切りです。
もう少し立面にまとまりが欲しかったので各種要素の寸法の調整と色彩調整を行いました。
外壁板の張り方向も変えたりして違和感が無くなるまで整えました。
公園に建つので誰か特定の層や性格の人達(例えば子供だけが喜ぶとか、建築が好きな特殊な人へ向けて)では無く、誰にとっても同じ印象を与える外観にしたいと当初から考えていました。そのような観点からはとても満足しています。
これにて一旦実施設計を終えますが、まだ内部の細かい寸法を調整して使い勝手を上積みしたいと思ってます。
また、工事までの期間に機会を見て模型にして検討を重ねたいと思います。
今回も構造設計室の素晴らしい発想に助けられました。その話はまた別の機会に書きたいと思います。
ここで一旦実施設計を終えたいと思います。今回は思った以上に積算が大変でした。
公共建築と切っても切り離せない積算業務。これについてもまたの機会にしたいと思います。
24.03.2023
代表の田淵です。
中央公園トイレの設計をアップデートしました。
軒下の空間を大きく開き、縁側の様な長いベンチに変更しました。
公園は日影が少ないのでトイレのついでに腰を下ろして休んで欲しいと思います。
今も10年後も同じ様に感じるデザインをいつも心がけています。
また、防犯上の観点から男女トイレの出入り口を両端にして離しつつ出入り口付近の人の出入りを視認しやすい様に格子にしたり、わざと手洗いスペースが少し見える様にして死角を減らす工夫をしています。
02.03.2023
イメージが出来てきました。深い軒下に休憩用のベンチスペースを計画しています。
周囲に溶け込むような佇まいを意図してます。
こちらは駐車場に設置するイメージです。ベンチスペースのアップデートが必要そうですが、屋根の佇まいは良さそうです。
28.09.2022
代表の田淵です。
私が小さい頃から慣れ親しんだ加賀市中央公園に公衆トイレを設計させて貰えることになりました。
今も大好きな思い出の公園で、よく娘を連れて遊びに行きます。
昔からずっと、この公園内の施設を設計できたらなぁ、、、と願ってきたので嬉しさ爆発です。
目指すは「自然と掃除をしたくなるようなトイレ」。皆に愛されて誰彼構わずついつい掃除をして綺麗にしたくなるような。そんなトイレにできたらいいなと思います。トイレの横にはそよ風が抜ける休憩スペースも作りたいです。
設計が楽しみです!