街の風景と暮らす家
・愛着ある地域で暮らすこと。
・帰れる場所が出来ること。
・家族が同じ風景を見ること。
【対話を通じて】
北入りの小さい敷地、近い将来は南側ギリギリに家が建つ可能性が高く、1階南側の日当たりは期待できませんでした。
いろいろな選択肢の中から建主さんと対話を重ねながら2階リビングを選択しました。デメリットも共有しそれでも居住空間の豊かさを優先させました。
【基本コンセプト】
・2階にリビングダイニングを持ち上げ風景を取り入れて暮らす。
・風呂・洗濯・物干しも付随させて家事を2階で完結させる。
・1階は個室にして、屋外に広めのポーチを設けて生活の雑事に対応する。
【2階リビングの良さ】
空間が持ち上がるので遠くへ抜ける視線を確保出来ます。大きな窓を設け、街の風景を取り入れながらのびのびと暮らせる良さがあります。この窓からの風景を家族で共有して暮らします。いつも街の風景と共にある、そんなリビングです。
道路へ対して角度を振っているので外からの視線が気にならず、2階ならば道に行き交う人と目線が合う心配も無く、北面採光も十分です。
【ダイニングで過ごす一人時間】
自分の時間も過ごせるダイニング。コンパクトな家だからこそ「適度な距離感」を大切にしたい。
リビングと距離を取り、家族の雰囲気を感じられつつも落ち着いて一人で過ごせます。
【 家の中心に大きなキッチン】
料理する暮らしを大切にするための大きなキッチンがご要望でした。思い切って家の中心に据えてダイニングとリビング両方から使いやすく、コミュニケーションも取りやすくしました。キッチンを通って水廻りとパントリーがつながる家事動線も担っています。
バックボードもご希望に沿って使いやすく設計し、パントリーにも十分な食材をストックできるように配慮しています。
【3.3mの長いサンルーム】
南側のサンルームはシーツも布団も干せる長い空間にしました。物干バーは2列。タップリ干しても荷重に耐える設計です。
洗濯のストレスを無くしたいとのご要望から、室内の暖房が行き届く長いサンルームを設けています。
幅広の窓台は、洗濯物を畳んだり仮置きするのに重宝します。
【個室を利用する耐震設計】
個室を複数配置すると必然的に壁が多くなるため、これを耐震壁に利用して1階の耐震性を効率的に上げています。子供部屋は将来二部屋に仕切る事を前提に天井裏には防音仕様垂壁を設置しています。
【控えめな佇まい】
周辺へ圧迫感を与えないように階高を抑えています。風景は地域の財産。突出して壊さないように心しています。
同時に2階への階段を短くする事にもつながり一石二鳥です。
【生活を支える外廻り】
雨と雪がとても多い北陸では、広いポーチ空間が必須です。自転車、傘、カッパ、ゴミ、など様々な物が置かれたり、乾かしたり。車のトランクから荷物の出し入れも、雨に濡れずに使えます。タイヤ、スコップ、園芸用品、など入れる外物入れも生活の雑事を整えます。
玄関はゆとりのある土間にして、ベビーカーなど様々な物を置ける様にしています。
【夜になれば窓に明かりが灯ります】
窓の明かりが帰宅する人達に安心感をく与えてくれるはず。そう思いながら設計を行いました。
灯された明りが住み手の温度を外に伝える。
建主さんの地域への愛着が外観に仄かに宿る。そのような住宅にしたいと思いました。