茶室 日本建築|石川県

茶室 (移築先が決まりました)

知人より相談をお受けしています。

ご実家の茶室ですが、現在はもう使用しておらず今後もその予定は無いとの事です。

このままはでは、いずれご実家の解体と共に撤去せざるを得ず、あまりにもしのびないとの事でした。

そこで移築を含めて譲渡先を探しています。



詳細な図面は無く棟札の確認も行っておりませんが、昭和中期、京都の名のある工務店の仕事だろうと推測されます。

建設当時、知人は幼少ながらも京都から職人さんが来たこと、2年程度の工期であったことを記憶なさっていました。

昭和中期は数寄屋職人の技が最も高まり、全国的に座敷や茶室が多く建てられた時代です。

この茶室も当時の素晴らしい大工仕事を見ることができます。材も全てが本格で素晴らしい。壁も痛んでおらず美しく堅牢な土壁(小舞壁)です。露地には腰掛待合が作られており本格的な茶室が行える構成です。

我々としてもこの様な素晴らしい仕事の茶室がこのまま朽ちていくのは本当に悲しい。何十年もこの地域で茶道という文化を支えてきた建築をできれば残したいと思っています。

そのお手伝いをさせて頂ければこれほど嬉しいことはありません。

ご興味がありましたらお問い合わせ頂ければと思います。現地見学も可能です。

現在、数件の問い合わせは頂いてはおりますが実現には向かっておりません。







移築をする際には、まず専門大工さんによって丁寧に解体(「ほどく」と言います)を行って、部材の全てに印を付けて再利用する部材と痛んでいる部材を判別します。その後、再度設計を行います。

必要に応じて役所などと協議を行い法的な問題をクリアした後に、運搬、組立、工事を行います。

移築に伴い建築基準法と予算がハードルになりますが、工事会社、職人大工の選定、コストコントロールなどと共に我々がしっかりとサポートしながら進めさせて頂きます。


建築は継続的に利用しないと痛みが激しくなります。この茶室も近年の痛みが進行しています。

幸運な出会いを切望しております。

設計
不明
所在地
石川県加賀市
用途
裏千家 茶室
竣工年
昭和中期
延床面積
小間四畳半、次の間三畳、水屋三畳、内露地
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